高倉健さん遺作 映画「あなたへ」を見ました ネタバレ【要注意】

高倉健さん主演の映画「あなたへ」を見ました。

高倉健さんということでなにか懐かしいような気がしてWOWOWで録画してあったものを家内と一緒に見ました。

だいたいのあらすじは、高倉さん演じる刑務所の看守倉島英二が亡くなった妻倉島洋子(田中裕子)の遺言に従って、洋子の故郷平戸まで散骨の旅にでるというものです。

平戸の郵便局局留でしか受け取れない仕組みになっているもう一通の遺言状の存在が視聴者の興味を最後までつなぎます。

その遺言状ですが、結局、最後の方で「さようなら」としか書いていないということで、期待した割には、肩すかしのような結論ではあったのですが・・・。

(これは人それぞれに評価は分かれることと思いますが、私は、何か物足りない気持ちになりました)

要するに、映画のジャンルとして云うところのロードムービーということになります。
「ルート66」の老年バージョンといっていいかもしれません。

もうすっかりおじいさんが板についた高倉健さんの風貌といい、全篇通じて「年齢(とし)をとるとは」、「夫婦とは」、「人生とは」という重たいテーマがてんこ盛りです。

しかし、この映画の中では高倉健さんいたって元気です。

映画が封切られたのが2012年8月25日、高倉健さんが亡くなったのが2014年11月10日ですから、この映画を見る限り、実年齢は別としてまだまだ若過ぎる死のような気がしました。

この映画で共演している大滝秀治さんもこの映画の収録直後に亡くなっておられます。肺癌だったとのことです。また、高倉健さんと生前、親交があることで有名な愛川欽也さんも、つい先だって訃報を聞いています。

愛川欽也さんで思い出すのは菅原文太さんですが、菅原さんも、やはり先日亡くなりました。

愛川さん、菅原さん、高倉さんと、皆さん、高齢にもかかわらず晩年まで元気にされ、急に体調を崩して亡くなるというパターンだったとのことです。最後まで充実していたとも思えますし、ご本人としてはまだまだ志半ば、やりたいこともあったのにと思われたかもしれません。神ならぬ人にはどうすることもできない問題ではありますが、「三丁目の夕日」世代としては、まこと、さびしい限りです。

話しを戻します。

この映画の最後の方で、佐藤浩市さん演じる、主人公が旅の途中で「たまたま」知り合った「ふるさと弁当」の実演販売職人さん、実は以前は主人公の亡くなった奥さんの郷里である平戸で漁師をしていたのが、思わぬことで多額の借金を背負い、その借金を解消するために漁にでて遭難を装い保険金を家族に残した人であったことが最後になって(視聴者に)判明します。

びっくりするくらい面白くもないのですが、高倉健さんを懐古しながら見るのにはふさわしい、しっとりとした味のある良い映画だなと思ってみていたのですが、この脚本にはちょっとがっかりしました。

いくら映画だと思って、多少つじつまが合わいところがあっても、「まあ、固いこと云うな」と、頭の中の「ぶつくら細胞」を抑えこんで見ていたとしても、こんな「絶----対に!!! あり得ない」 話が出てきては、もう抑えきれたものではありません。

だって、散骨のため、亡き妻の郷里平戸に向けて富山をでて、京都の手前当たりで、たまたまパーキングエリアで車が故障したと言って弁当の実演販売の手伝いを頼んできた厚かましい男が草薙剛で、その相方の佐藤浩市が、目的地平戸で世話になることになる大衆食堂の女将の分けありの旦那だったなんて・・・。

そんなことが起こるなんて信じられますか?

「こんな偶然有るわけないよな」

と、隣で見ていた家内に言うと、喧々諤々、果ては、知り合いのペケペケ先生は浮気相手の彼女と行ったディズニーランドでご近所さんの一団に遭遇したけど、それはディズニーランドという人気スポットだから起こったような話で、こんな偶然の出会いなど絶対に起こるわけないなどと、いらん実例話まで飛び出して、せっかく、しんみりと締めくくりたい映画なのに、そんな感慨、吹っ飛んでしまうのではあります。

映画なんていうものは、大勢の人で作るのに、この映画を作る時、誰も、「こんな話はあり得ないから、脚本、変えた方がいいですよ」なんて、云わなかったのでしょうか?

監督か脚本家が怖い人で、言えなかったのでしょうか?

以前、リュック・ベッソンの映画で、地球の衛星軌道上にある宇宙ステーションの扉を開けて、そこから飛び降りてスカイダイビングで地球に戻ってくるという場面があった時も、「誰も(物理学的にこんな話あり得ないと)云わなかったの・・・?」と思ったものではあります。

リュック・ベッソンさんも、怖い人なのでしょうか?

このリュック・ベッソンさんの映画のこともそのうち書きますので、乞うご期待。