色の効用

070313_0828~0001
070313_0828~0001

「色」は、電磁波と呼ばれる光のエネルギーの一種です。

このエネルギーの波動が、人体や精神にも影響を及ぼしています。

太陽光線をプリズムで分光させると虹の7色が見えますが、カラーセラピーでは、人間は「虹の存在」と考えられています。

また、インドの伝承医療「アーユルヴェーダ」では、人体には虹の7色の「チャクラ」と称されるエネルギーステーションがあるとされています。

色彩心理学においては、色への欲求は、心理的バランスを保つための人間の本能だとも言われています。

よく使われる例ですが、医学的にも、赤い部屋にしばらくいると交感神経優位となり血圧・心拍数が上昇し、青い部屋にしばらくいると副交感神経優位となり、血圧・心拍数ともに下降します。

目隠しをした状態でこの実験を行っても同様の結果が得られることから、やはり色は、視覚のみで感知しているのではなく、波動エネルギーにより作用していると考えられます。

また、「色が教えてくれること」の中で、著者の七江亜紀さんは、
「そして色は、人の情動も揺り動かすのです。(中略)それらを上手に利用すれば、心は意外と簡単にコントロールできる、ということです。」と述べていらっしゃいます。 

テンションが落ちてきた時には赤いものが食べたくなるように、心と体が赤い色を欲し、疲れてホッコリしたい時にはビタミンを補う緑茶やフルーツがとりたくなるように、緑やオレンジを欲するなど、自分の心に耳を澄ませながら、体調に合わせて色をうまく使うことは、じつはとても大切なことなのでしょう。

(橋本由美)

高田崇史さんの『鬼神伝 鬼の巻』を読みました

講談社文庫より出版された高田崇史さんの『鬼神伝 鬼の巻』を読みました。

内容はネタバレにならない程度に書くと、主人公の少年がある日平安時代、「鬼」と貴族たち「人」が激しく争う世界に飛ばされるもので、非常にファンタジー色が強いものです。

なぜ、突然このようなファンタジー小説をここで紹介しているのかと思われたかもしれません。
著者の高田さんはこれまでQEDシリーズ等サスペンスものを含め、鬼や河童等、古事記や地域の伝承等に登場する神々をテーマに巧妙にストーリーを組み立てられています。
単なる小説ではなく、読んでみて歴史の見方が変わる新たな視点を提供してくれるような、非常に興味深い考察や研究結果を披露され、大変面白くいつも読ませていただいています。
この小説は、それら考察の導入部もしくは、まとめのような内容で読みやすく感じました。

高田さんのこれまでの様々な小説で一貫して発信しているメッセージは、「鬼」というのは、朝廷に従わなかった本来日本に古来より住んでいた人々だということです。
坂上田村麻呂に敗れた阿弖流為(アテルイ)もそうですね。
こちらは、高橋克彦さんが書かれた『炎立つ』でご存知の方も多いかと思うお話です。

鬼神伝に印象に残るメッセージがありましたので、最後にここだけ整理して紹介させてください。

どうして節分には鬼に豆をぶつけるのか?
どうして河童はキュウリばかりを食べているのか?
どうしてテルテル坊主は軒先に吊るされているのか?
どうして雛祭りで人形を飾るのか?
どうして天邪鬼やおとろしの指は三本しかないのか?

きちんと調べればわかることなのに、私たちの時代の人たちは、誰も真剣に調べようとしていない。
だからこそ、自分で調べてほしい。
答えが分かったら、たった一人きりでもいいから声をあげてくれ。

まとめるこんな内容のメッセージです。
これまで、高田さんの本を読み続けてきて、このメッセージが一番ずしりと来ました。

以上私の書いたことで、興味を持ってくださった方がおられれば、ぜひ高田さんの著書一読ください。

まず、鬼神伝、それでこの節分の話等の高田さんの考察を知りたければQEDシリーズ等を読んでいただきたい。
歴史の見方に、新しい次元が加わることは確かです。

『鬼神伝 神の巻』という続編があるのですが、>講談社文庫で出版されるのを楽しみにしています。
ちなみに、この『鬼神伝』、アニメ映画が公開されていたのですね。知りませんでした。
なんと、声優陣が豪華でびっくりです(笑)
観たいです!(予告編URL貼りました)。
href=”https://www.youtube.com/watch?v=4mWHquRHACM” target=”_blank”>https://www.youtube.com/watch?v=4mWHquRHACM

(橋本圭司)