軟酥の法

滝邸

昔々、徳川5代将軍・綱吉の世に、白隠禅師というかたが誕生しました。

「駿河には、すぎたるものが二つあり。一に富士山、二に原(禅師の誕生の地)の白隠。」と言われるほどの名僧で、臨済宗・中興の祖とも称されています。

彼は、幼い頃から修行に励み病を乗り越え、人生50年と言われた時代に、73才で「夜閑船話(やかんせんわ)」を執筆しました。

これは、禅の修行や自らの病の経験から白隠禅師が編み出した内観法(今で言うセルフヒーリング)のハウツー本で、当時のベストセラーとなりました。

ところで「軟酥の法」ですが、これは、前回に書きました「入浴セラピー」http://京都産業医.com/blog/%E5%85%A5%E6%B5%B4%E3%82%BB%E3%83%A9%E3%83%94%E3%83%BC/にも少し通じるところがあります。

静かな部屋で目を閉じ、頭上に鶏の卵大の軟酥(バター)が載っているとイメージします。

その軟酥は、とても良い香りを放ちながら体温で溶け出し、まずは脳全体に浸みわたり、目、鼻、口、のどへと順に流れながら、背骨や五臓六腑にまで浸みこんでいくイメージをします。

そうして最終的には、その軟酥は、体中の凝りや痛み、心の苦しみなどのネガティブエネルギーを全て溶かし込み、体外へ流れ出していくとイメージします。

あとはスッキリ! 心も体も浄化されたと信じます!

江戸前期の昔に、こうしたイメージヒーリング法が流行していたなんて、面白いですね(^_^)♪

(橋本由美)