2024年を迎え、元日から、災害や大きな事故が相次ぎました。
被害に逢われたかたがたへのお見舞いを申し上げます。
冒頭の絵皿は、かつて北陸の海で交易に活躍しました『北前船』を描いたものです。
『真面(まとも)の船』と題されています。
作者の九谷焼作家、北村隆先生によると、『真面』とは、正面から風を受けることであり、
その向かい風を受けてこそ、船は進むのだと。
十干十二支でいうと、今年は甲辰(きのえたつ)の年です。
甲の文字は、甲冑の甲で、鎧兜のように硬い殻をかぶったまま、まだ芽吹かない種子を現しているそうです。
つまり、耐え忍ぶ様を意味しています。
辰は、十二支の中の『龍』ですね。
文字の意味は、『辰』は、『振るう』からきており、万物が振動し、その振動により変革が生じ、草木が芽吹いて生長してゆく状態を現しているそうです。
甲と辰の出会う年は、辰の持つ『変革』や『激動』と、甲の持つ『忍耐』と『夜明け前』の意味から、
『すぐに芽吹きが無くとも、土の下や木の中で、変化の準備は着実に進んでいる。諦めずに次に繫がる努力をすること』と、解釈しました。
皆さまの良き1年を、お祈りいたします。
(橋本由美)