人は何のために祈るのか

イタリア・母子像

筑波大学名誉教授・村上和雄氏と 京都府立医科大学教授・棚次正和氏の共著 『人は何のために「祈る」のか』を 読みました。http://www.amazon.co.jp/%E4%BA%BA%E3%81%AF%E4%BD%95%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AB%E3%80%8C%E7%A5%88%E3%82%8B%E3%80%8D%E3%81%AE%E3%81%8B-%E6%9D%91%E4%B8%8A-%E5%92%8C%E9%9B%84/dp/4396411057

副題は、「生命の遺伝子はその声を聴いている」というものです。

以下、本文からの抜粋ですが、

「何かに強い期待や願望を抱いた人は、自分の心にその実現を念じます。念じることは祈りに似ているところがありますから、強い期待は祈りとも言えるのです。 (中略)「熱烈な思いは天に通じる」といいますが、思いは天ばかりでなく、細胞の中の遺伝子に直接働きかけます。」

「現代人に決定的に欠けているのは直観知のほうです。科学的に考える癖をつけて以来、「科学的に証明できないこと」を信じたがりません。その結果、何が起きたでしょうか。人間はもともと備わっていた鋭敏な五感を鈍らせてしまいました。これは大きな問題です。」

(抜粋終わり)

アメリカにおいても医学・医療分野における西洋医学以外に基づく医療の割合が、半分以上となりつつあり、この事実に驚いたアメリカ政府は、この分野に多額の予算をつける傾向が増しているとのことです。

もっとも、祈りが治療に有効と認めている医学者でも、その多くはプラシーボ効果にすぎないとも考えています。

しかし、近年行われた心臓病患者による実験では、他人に祈られた患者は、そうでない患者より、人工呼吸器 ・抗生物質・透析の使用率が少ないという結果が出たとの記事もありました。

しかも、西海岸にある この病院に近いグループからの祈りも、遠く離れた東海岸からの祈りも、同様の効果があったそうです。

また、これらの患者は、祈られていることを知らされていなかったそうですから、プラシーボ効果では説明できないものです。

よく、嫌なことがあってイライラしていたり、最近ツイてへんわぁ~と落ち込んだりしている時に限って、電化製品の調子が悪くなることがありがちですが、やはり人の心からは、何らかのエネルギーが出ているのだと思います。

そしてそのエネルギーは、電化製品に作用するのと同様に、遺伝子にも作用するのではないでしょうか。

であるならば、「祈り」という力を借りたエネルギーを使うことで、様々な問題を良い方向へ導いていけるのではないでしょうか。

少なくとも私は、そう信じたいという思いでいます。

(橋本由美)