渡邉 格さんという方の著書『田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」』はとても素晴らしい本でした。
「真っ当な”食”に正当な価格をつけて、それを求めている人にちゃんと届ける。それで世の中を少しでも真っ当な場所にしていこう」
との決意で、天然酵母のパン作りに励む著者が書かれた本です。
マルクスの「資本論」と酵母やパン作り、地域活性の話が非常に面白く組み合わされた特別な本だと思います。
以下、私が印象に残り、かつ、この本の伝えたいメッセージの魅力がとても感じた箇所を一部抜粋します。
この内容を読んで、興味を持たれた方、面白い意見だと感じられた方、ぜひこの本を読んでみては如何でしょうか。
読めば本当に自分の価値観に何か変化があると思います。
国外でもよく売れているとのことで、ドキュメンタリー作成の話もあるそうです。
「利潤」ではなく、「循環」と「発酵」に焦点を当てた、「腐る経済」に挑んでいる。
「人生はいっぱいの酒に如かず」。
懸命に働いた後の美味しい食べ物と美味しい酒があれば、人は楽しく豊かに生きていけると思うのに、資本主義経済は、「腐らないおカネ」を増やすことに躍起になって、働くことと食べものをどんどん壊している。なんでこんなことになるのか?
僕らは、自分たちが食べたいと思えるものを守りたくて、暮らしと仕事が一つになった人生を歩みたくて、パンという武器を取ったのだと思う。
僕らの思いに共感してくれた人は、ぜひ、未来への一歩を踏み出してほしいと心から願う。できれば、田舎で僕らと同じ闘いに挑む人が増えてほしい。それに限らなくとも、自分の「内なる力」を高め、土や場をつくることに意識を向ける人が増えてほしい。
場が整い、「菌」が育てば、食べ物は「発酵」へと向かう。
それと同じで「小商い」や「職人」が育てば、経済も「発酵」へと向かう。
私たちは、自分たちの子どもの世代にどういった日本、地球を残したいか、一人ひとりがきちんと考えるべき問題だと強く感じます。
最後に、このパン屋のURLを添付します。
鳥取県に店舗を移動するそうで、現在はお休みしているそうですが、今後の活躍が楽しみです。
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