セイバーメトリクスという野球の統計分析に当たるようなものがあります。
(Society for American Baseball Research)とメトリクス(指標)
これを当時資金不足で弱小チームであったオーランド・ アスレチックスに取り入れて常勝軍団にまで育てたビリー・ ビーンという方が有名です。
ブラッド・ピット主演の映画『マネー ボール』でご存知の方も多いかと思います。
私も、映画はもちろん書籍も読みました。
今でもそうですが、野球選手を打率やホームラン数、 盗塁数等で評価することが一般的だと思います。
ビリー・ビーンはそうではなくて出塁率を重視しました(他にも相手の投球数をどれだけ稼げるか等いろいろあります)。 ヒットでも四球でも何でもいいのです。
この視点で見ると、打率が高くなくても、 選球眼が良く四球等で出塁率が高い無名の選手が、突然隠れた優秀な選手として浮かび上がるのです 。
投手なら勝数ではなく、例えばクオリティ・ スタートという先発投手が6回まで自責点3点以内に抑えたときに 記録されるもの等があります。
このビリー・ビーンの取り組みは、 当初は他球団から見向きもされないどころか、 球団内のスカウト担当の陣営からも反発がありました。
しかし、結果はアスレチックスの成功を受け、 多くの球団が取り入れだしたため、 より複雑な指標も開発されているような状況にまでなっています。
ここで強調したいのは、 この例はデータによる指標がベテランや現場を熟知する人々の経験を上回るということではありませ ん。
なぜなら、指標の結果を受けて行動を起こすのが、その 経験を豊富に持つ現場だったりするので、「データでこうだから」 という押しつけでは、一丸となった行動は不可能です(ビリー・ ビーンはかなり激しくやりあったようですが、 個人的にはこれは結果オーライの話で、 特に日本では難しいと感じます)。
ただ、データ等の分析から今までになかった新しい次元を加えて物事を考えた成功事例として非常に面白い話だと思います。
以下に『マネー・ボール』の映像(予告編)を参考に載せました。
橋本圭司