新しい年明のご挨拶を申し上げます。
令和2年の今年は、十二支が一巡し、
干支の最初、子年として、新しい運気の循環の始まりとなります。
中国伝来の十二支では、本来、植物の循環から運気を意味付けていますそうで、その最初となります『子』は、元々『繁栄、生命の誕生』を持つ『孳』(じ)を語源とするそうです。
そして、この意味は、孜(シ)という文字からきており、種子の中に、新芽の息吹が宿る様を表しているのだそうです。
九谷焼の北村隆さんによる可愛らしい干支の置物の後ろにありますのは、
『無一物中無尽蔵』の書です。
この言葉は、『無一物中無尽蔵 花有り月有り楼台有り』という蘇東坡の詩の一節から引用されたもので、
『人間は無一物が本来の姿なのだから、それに徹したとき、逆に一切が無限に出現する自在の境地が開ける』という仏教の教えに由来するものです。
『拘りを無くせば、可能性に際限はない』ということなのですね。
現世に在る限り、拘りを無くすことは、なかなか困難ではありますが、今年は『新芽の息吹が宿る年』ですから、
美しい芽吹きを思いつつ、さらさらと流れるように生きてゆきたいものです。
皆さまの本年が、どうぞ幸多きものでありますように。
(橋本由美)