食育研究室
No12:発酵塩レモン
▲発酵塩レモン
▲熟成2ヶ月と、漬けて3日目の塩レモン
知人からお庭で収穫された無農薬のレモンをいただいた際、塩レモンを作ってみました。
もともと中近東の国々で、一般的な調味料として食されている塩レモンは、日本でいえば梅干しのような存在で、かつては各家庭で作られ、10年もの20年ものというものもあるそうです。
レモンをよく洗って水気を拭き取り、櫛形に切り、清潔なガラス瓶に、塩と交互に入れてゆきます。
ワックスのかけられている輸入レモンや農薬を使っているものは、重曹水に漬けてよく洗い、さらに流水で洗い流すと良いようです。
塩の分量は、レモンの半分くらい。
わが家では、アンデスのピンク塩を使いますが、お好みの天然塩をお使いください。
入れ終わったら、蓋をして、上下左右によく振ってなじませます。
金属蓋の場合は、酸化しますので、布巾などをはさんでください。
その後は、常温で保存し(冷蔵庫へ入れると発酵がすすみません)、一日一回は、瓶を振ります。
その度に、蓋にはさんだ布巾は取り替えます。
しばらくすると、水分が出てきますので、清潔なスプーンで押さえて、水分になるべくレモンが浸かるようにします。全体が浸かるくらい水分があがってきたら、もう瓶を振る必要はありません。
写真は、漬けて1ヶ月半ほどのもので、皮が柔らかくなり、実や膜は、すっかり溶けたようになっています。これは、レモン自体の持つ酵素によるものだそうです。
発酵がすすむほどに、塩味もまろやかになります。
このくらいになると、包丁でつぶすと簡単にペースト状になりますので、お肉やお魚に塗って焼いたり、蒸し野菜に付けたり、色々に使えます。
写真の小さい方の瓶は、すりおろした生レモンを塩麹で和えたもので、こちらは冷蔵庫で保存しますが、1ヶ月は大丈夫です。
ドレッシングやスープにひとさじ加えると、パッと爽やかな味になりますし、挽肉料理に混ぜ込むと、臭み消しになります。
NO.9に、レモンの効能を書きましたが、付け加えて、レモンの香り成分のリモネンにはリフレッシュ効果があり、塩や塩麹に漬けても、有効性は変わりません。また、皮に含まれるポリフェノールには、強力な抗酸化作用があり、さらに、ヒスタミンの分泌をブロックし、花粉症の症状を和らげるとの研究結果もあるそうです。
良いレモンが手に入る度に、塩レモンを漬けておくと、いつでもこれらの有効成分を手軽に摂取でき、また熟成度の違いを楽しむこともできますね。