嵯峨野のお茶会

060910_1522001
父のセカンドハウスが、京都の西の端、嵯峨野にありまして、昔 私の「結納」が、初使いの思い出です。

けれども、結局 皆それぞれに多忙なものですから、ほとんど閉め切ったままの状態で、父は もう10年以上、訪れたことも無いと思います。

うちの息子達が大学生になり、他府県のお友達が 遊びに来てくれますようになりました ここ数年は、たまに活用していますが、このままでは、家もお庭も傷む一方で 可哀想ですし、もっと 風を通してあげなければ ・・・ということになりました。

060910_1515001
そこで急遽、丁度 息子が帰省しています間に お茶会をしましょう! という事になりまして、父の従妹のTさんに 声をかけました。

Tさんは、加茂川会で 異文化交流や 留学生のお世話をするボランティア活動をしてはります。

突然決まりましたものの、加茂川会のOさん、Uさん、Yさんと、京都ドイツ文化センター館長の Lご夫妻、オクスフォード大学・東洋文化研究所の Pご夫妻、そしてスペインから京都大学・化学研究所へ留学中の 若いHご夫妻が、ご参加くださいました。

じつは 私は、「外国の方が多いし、きっとお茶には詳しくないやろし、順不同で適当にしましょ。」と、気楽~に考えていましたのですが ・・・ とんでもありませんでした ・・・(涙)。

皆さん、むしろ日本の方より勉強熱心で、P夫人は 日本の伝統芸能を研究なさってはるとのことで、私のお点前中にも、

「掛け軸の説明をしてください。」「床の間のお花と花器の説明をしてください。」  と、次々質問をされます。

さらに、L夫人は 裏千家・みどり会(外国人指導者養成のための組織)に所属され、週2回は お稽古してはりますとのこと!

私が、P夫人達の質問に窮していますと、かわりに答えてくださっていました。 ・・・ 「順不同」の 私のお点前は、どの様に思われたでしょうか ・・・ 恐るべし、みどり会 ・・・(^^;)。

060910_1505001
060910_1507001
 

お茶の後は、気分を変えまして、広縁や お庭の陶テーブルに Tさんお手製の生春巻き(ライムの香りが爽やかで、とても美味でした。ありがとうございます)やサンドイッチ、フルーツや飲み物を並べまして、自由に歓談。

皆さん、室内よりも お庭が すっかり気に入ってくれはりましたようで、時々 舞い降りてきます小鳥や(たまに白鷺)、池のコイを眺めながら、お話しに花が咲いていました。

あ、私は 英語も会話も苦手ですので、もっぱら 食べていましたが ・・・(^_^;)。

060910_1504001
今日のメインのお道具は、この棗。

曾祖父が、普段使いにしていましたようです。作者などはわかりませんが、珍しい球体のフォルムと 朱塗りが と~っても可愛らしく、私の大好きなもののひとつです。

060910_1514001
そしてこちらが、私が お客様の質問に答えられませんでした 掛け軸(>_<)。

どういう経緯で あの家に置いてありましたのか、母に聞きましてもわかりませんでしたが、箱には

「寿山萬丈高  二0八世  公照 」と書いてありました。お坊様のようですが、どちらの二0八世でしょうか ・・・。

書の意味は、主人がノートパソコンで調べてくれましたら、禅語の一節でした。

お茶席でパソコンなど、先生に叱られそうですが、まぁ今回は、「超カジュアル茶会」ということで ・・・ お許しください。

060910_1502001
主菓子は、長久堂の ゛菊尽くし゛です。前日が、重陽の節句でしたので、ぴったりと思い 選びました。

お干菓子も、秋らしいもので。

060910_1636001
そして、こちらは すっかり色褪せまして、キノコまではえています 鹿威し!

いかに 放ったらかしになっていましたかが わかります。

これからは、もっと度々行きまして、大切に お手入れしてあげたいものですね。