今日庵のお初釜 2010年
私が子供の頃は、元日の朝 目が覚めますと、光や空気まで新しく感じられましたものですが、最近は だんだんと そうした感覚が 無くなりつつあります。
けれども お初釜に行きますと、何か 清々しく また 一年の始まりを、きちんと あらたまった気持ちで 迎えることができます。
ふだんのお稽古では あまり華美な装いは 遠慮しなければなりませんが、お初釜の時には 新年の寿ぎを 喜ぶような、晴れやかな色や金銀、おめでたい柄の装いのかたが多く、眺めていますだけで 楽しくなります。
最初に お待合で、薄茶席が一席。
遠くからおみえのかたもありますので、まずは ここで一呼吸という感じの カジュアルな お席です。
お道具の取り合わせも 遊び心に富み、お水指しは 当代・永楽作の まさしく「虎」!
黒と黄色の くっきりした虎の縞柄に、静かに目を瞑っています 虎の顔そのもののデザインです。
虎が吠えると 春を呼び、竹は 風を表しますそうで、虎と竹は よく併せてモチーフにされます。
今年は 「寅年」、そして 勅題は「光」ということですので、どのお席にも 虎と光の意匠のお道具が 随所に取り合わせてありました。
続いて お濃茶の本席は、フォーマルなお席で お家元が 点てられます。
お菓子は 例年、道喜さんの 花びら餅。 桜色の求肥の中に とろとろの味噌餡と 牛蒡が包まれています。
そして お水指し、柄杓立て、建水のセットは お家元を継がれました時に、ご自身でデザインなさいましたもので、毎年 このお席で拝見します。
鮮やかな藍とターコイズの地に、くっきりと 和楽器が描かれました 永楽作のもので、晴れ晴れとしました意匠が とても美しいものです。
飾ってありました 茶器と仕覆は、利休居士が 秀吉公から 拝受されましたものとのことです。
お濃茶の後には、金剛流の 謡いと鼓を拝聴。
その後、懐石のお料理をいただきます。
たっぷりと大きなお椀に盛られました 鴨団子入りのお雑煮は、楽しみなものの ひとつです。
奥様方が、熱い祝い酒をついでくださいます。
そして、最後にもう一席、お薄席を いただきます。
こちらのお菓子は、ほかほかと湯気のたちました 虎屋の上用饅頭です。
皆様 すっかりお顔もほころび、豊かな気持ちとなり ご挨拶を交わして 三々五々帰路に着きます。
縁起良く、新たな気持ちで 新春の始動をできますことに、感謝いたします。
ありがとうございます♪
(追記)
写真は、お土産にいただきましたもの。
お家元の書の寿扇、干支の盃、麹塵染(きくじんぞめ)の匂い袋、そして 末富さんの 祝い菓子です。
ありがとうございます。
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