息子のプライド

今日は 息子のお誕生日です。丁度、明日は 土曜日ですので、東京へ行き、家族で食事をする予定です。

幼い子供は、母親に対する分離不安がありますが、私の場合は、子供に対する分離不安があったようです。そのため、幼稚園や学校選びは、「家から歩いて行ける距離」というのが、最優先順位でした。

幸い、歩いて2,3分の所に 小さな教会に併設された幼稚園があり、アットホームで ほのぼのした幼児期を過ごしました。

小学校は、祖父母の希望で、カソリック系の私立小学校へ。家から近いという条件には合っていましたが、我が家は家族みんなが マイペース人間で、場面によっては 浮いてしまうところがあり、この小学校は あまり合っていませんでした。

中学に入ると 反抗期。不機嫌な理由がわからず、ずいぶん悩みました。

息子が 東京の大学へ行き、お部屋を整理していた時のことです。使いさしのノートが出てきましたので、パラパラめくっていると、中学時代の 「苛め」について 書かれていました。

友人が苛められていたため、かばったところ、自分が そのグループから苛めを受けるようになり、さらに、かばってあげた友人も 担任の先生も、見て見ぬふりをしていたと。それでも、自分は 悪くないし、悔しいから 一日も休まずに 学校へ行ったと。

読みながら 涙があふれ、自分は 誰よりも一生懸命 子供を見ていると自負していたのに、何もわかっていなかったのだと、思い知らされました。

今にして思えば、当時 よく制服に 泥がついていたり 破れたりしていました。理由を尋ねると、「こけた。」と、ぶっきらぼうに答えていました。

ノートを読んだ後、自分のいたらなさを悔いると同時に、すぐにでも、当時の担任の先生に お話を聞きに行き、苛めていた子達の名前も聞こう!と、思いました。・・・が、結局、行きませんでした。

息子が 一言も 親に話さなかったというのは、息子のプライドのためであり、それを貫き通して 人間というものを知り、成長したのだろうと 思いなおしたからです。今になって 私が 荒立てることは、息子の望むところではないと、考えなおしたのです。

親の知らないところで 成長している息子を あらためて 愛しく思いました。